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素描23

『素描23』

急かされた少女は、風船を握りしめて道路の脇を歩く。きしきしと骨は痛み、身体は悲鳴をあげる。それでも朗らかに歌い上げ彼女の音があたり一面に広がる。手を伸ばしても決して微笑みかけない、かつて愛された人形はいつまでもそのままで、少女はやがて成長する。

こだわりをなくしたハリネズミは厚い雲に覆われて、姿がみえない。
世界を暗喩として公平を保とうとする。盾はずっしりと重くなり、誰も傷つける者はいない、ゆえに気づけることもない。

楽譜は真っ白のままで新しい音程をとれず、少女は泣いた。