『素描228』 大手を広げて獲物を待ち受ける巨大な蜘蛛の巣のようなパラボナ。荒廃とした地に心を許容する音楽。風化しない建造物のように、ただある。熱帯夜のオアシスに再生されたばかりのレコード。見つからない針のその先。
『素描227』 多くも少なくも遠くも近くもなく閉じた足元から広がる光景。燦々と降りそそぐ太陽にみえた希望。朗らかに汽笛を鳴らしてチッチッチッ。霧がかった目の前も精神の作用。阿呆は清算せずともポッポッポ。
『素描226』 不定形のチューニング。 冷淡な雰囲気が綿毛にのり燃え盛る。 脳、脳、脳、脳、脳、脳、脳、脳。 ノ、ノ、ノ、ノ、ノ、ノ、ノ、ノ。 脳、脳、脳、脳、脳、脳、脳、脳。 約束手形の代わりに野いちご。
『素描224』 素人遊戯の取り越し苦労。鶏肉食うぞ、この野郎。目も開かぬまま相槌を打って転倒する。小さく身近でならず者、音を聴く公共団体、富士の山を描いた油絵を見たとき、世界は。
『素描223』 まだら模様の夜が明けてしまう時、小さなピアノの旋律が友人を助けた。あの頃、母に連れられて聴いた確かなものに似ていて。溪谷で釣竿を手に持つ笑顔のジョンに会いに行く。 そのたくましい身体は白く光る抒情。
『素描220』 空高く掲げた鎌に肉体は耐えられず朽ちるままに。とある像の群がりに発行されたパスポート。 と蛍光色の写真から微笑む素晴らしき世界。情熱と哀惜がわだかまりを消し去り永遠を手にした原罪に納める7つ。