『素描417』
真っ赤に焼けた火かき棒が炉の隅に置かれている。触れれば肉を焼き、空気にさらせばゆっくりと黒へ戻る。
その赤は憤怒ではなく色そのものであり加熱と冷却で再び鉄になる。その往復を繰り返し見えなくなる燃焼を再び表面へ引き上げた。
輪郭は熱に揺らぎ、硬さは灼けた橙の中へ溶けて触れた者の記憶を司る。
火という時間を身にまとって衰えたそれは灰に均されていよいよ土へ近づいてゆく。
『素描417』
真っ赤に焼けた火かき棒が炉の隅に置かれている。触れれば肉を焼き、空気にさらせばゆっくりと黒へ戻る。
その赤は憤怒ではなく色そのものであり加熱と冷却で再び鉄になる。その往復を繰り返し見えなくなる燃焼を再び表面へ引き上げた。
輪郭は熱に揺らぎ、硬さは灼けた橙の中へ溶けて触れた者の記憶を司る。
火という時間を身にまとって衰えたそれは灰に均されていよいよ土へ近づいてゆく。