『素描43』
霜が降りる仲冬に一人、静寂を踏みつける。鈍い影は忘れかかった思い出を補正する。蘇生されない、空からの贈り物。ひらひらと舞い、にじんでは消える。飛蚊症みたくまぶたの裏に光が浮かぶ。丸い黒点は動き、夜にピカッと私自身を照らす。スプーンで掬えないゼリーみたいに柔らかく、捉えどころがない。
さあ、月に何を収めようかと。
『素描43』
霜が降りる仲冬に一人、静寂を踏みつける。鈍い影は忘れかかった思い出を補正する。蘇生されない、空からの贈り物。ひらひらと舞い、にじんでは消える。飛蚊症みたくまぶたの裏に光が浮かぶ。丸い黒点は動き、夜にピカッと私自身を照らす。スプーンで掬えないゼリーみたいに柔らかく、捉えどころがない。
さあ、月に何を収めようかと。