日本
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2021・11・26

so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02

日記

朝起きて objective-Saw の作詞の続き。詞を書いてみたけど、メロディに乗せた時に「これでいいのか?」と思ってしまう。聞きづらがあまり気持ち良くない気がする。若干、迷宮入りする。

りっちゃんを保育園に送って、昨日聴いた Bonzo Dog Band の関連で Vivian Stanshall を聴いたり、Richie Cole のレコードを聴いたりした。お昼はビートルズの映画を観た。関係した人にインタビューしていく構成で、ファーストキスされた話とかささいな話もあったり、とにかく監督自身が”ビートルズを愛している”のが伝わる。”好き”というのは根っこであり作品の質にも関わると思う。そんな単純なものでもないかもしれなけけど、好きだからというのはすごいパワーかと。そんなことを想った。

午後は『エヴァンジェリカルズ アメリカ外交を動かすキリスト教福音主義』の続きを読む。自分の皮膚感覚で言うと、丹念に調査している空気があって良かった。この本により筋を知れたり、今後、同様の問題を見た時にまた違った見方ができそう。

聖書・キリスト教周辺の考えを導入することで、ある対象が明確になる。(ざっくりと)仲介的な役割を果たす概念として機能している。また、他の概念も使い用によってはそういう風に仲介としてもいけそう。仲介的な役割という意味では、アンリ・ベルクソンの”イマージュ”もそういうものなのか…。道を照らす灯台みたいな概念と言えばいいのか…。自分であれ人の話であれ”どのものさしで話しているか”というのは、これまた意識していたい。「そもそも、それは何なの?それ自体はどうなの?」を追及していくと同時に、マクロ的な視点で物事を考えられるように…。実は両者は同じことなのかもしれない。(←これは完全に直感)

一時的に与えること、得る方法を教えること。自由な思考を妨げる制度(障壁)。その辺りをキーワードに。

そのあとは、インストのアルバムの音の調整をしつつ、ご飯を作りさっちゃんとりっちゃんの帰りを待った。豚肉を焼いた。

夜は電話で popi/jective の打ち合わせをした。レゲエの捉え方、崑崙山脈、モロトフ・カクテル、カイモノソングについて話した。電話の裏でインストのアルバムの配信の登録作業。曲によっては「音楽的メロディがない」的な感じで配信を断られることがある。「どうしよう」と前々から思っていたが、それを別エディションとしてアウリーストアやらバンドキャンプで販売すればいいのかと思いつく。最後まで見届けるという意味もあるし、自分なりの発想を含めた販売の方法も考えたいと思った。

全体的には心がそわそわしている一日だった。


–<メモ>–
『エヴァンジェリカルズ アメリカ外交を動かすキリスト教福音主義』のアマゾンレビュー より引用

①「福音主義を知るための良書」
福音主義が単にキリスト教の一宗派にとどまらず、政治や外交の中で影響力をもつアメリカの人々の意識の底流に流れており、必ずしも教会などの形式にとらわれない多様な宗教のとらえ方が伝わってくる。


②「福音派の政治倫理については参考になりました」
福音派の思考と行動がアメリカ国内の経済格差に関わりがあるのか知りたいと考えて、何冊か読む中でこの本を手に取りました。

福音派が弱者救済に熱心であることに紙幅を割いてはいますが、福音派が支援するイスラエルのパレスチナ人弾圧については全く言及がありません。
福音派とイスラエルそして共和党サイドの著者ですから、それは当然なのでしょう。

『人権侵害、戦争、宗教迫害、疾病のような外交政策問題に切迫感と優先性をもたらしたのは福音派のグローバルな世界観なのである』との礼賛しています。

翻訳は読みやすく、福音派の政治倫理(第4章)は特に参考になりました。

解説が橋爪大三郎氏なので、この本自体ちょっと疑って読んでいました。解説中のメインラインの教派については、疑問がありますが、私自身の知識もまだ浅いので、他の本で確認してみようと思います。

また、第3章の、宣教活動が世界各地に民主主義の基盤や市民社会の拡大、グローバルネットワークなどをもたらしたとの記述は私には新しい観点でしたので、それについても今後調べてみようと考えています。


③「もっと良い本は無いものか」

エヴァンジェリカルが半端なくイスラエルを支持する理由として
著者は
・ エヴァンジェリカルがキリストの千年期前再臨を信じていること
・ イスラエルのみが中東において民主的な国家であること
・ イスラエルがアメリカとの対テロ同盟国であること
を挙げている。
まったくもって正しいが
同性婚や妊娠中絶問題などに比べると
遥かに遠い政治課題である中東政策への口出しに
エヴァンジェリカルの牧師たちを
激しく駆り立てる原動力としては
いずれもイマイチだ。

◎ アメリカがイスラエルを “極端にえこひいき” することを
切実に願っているのは誰なのか?
◎ AIPACの動きを表面的に観察しただけでは見えて来ない
その “誰か” が
1990年代半ばから急成長を始めた大衆扇動装置(メガチャーチ)に目をつけ・・・
といった
ゴールから遡るアプローチで事実を丹念に調べ上げる方が
より深く真実に迫れるはずだ。
そのようなアプローチをした本があれば是非読みたい。


④「アメリカにおける、宗教(キリスト教福音派)と政治の関係を知る一冊」

 政教分離と言いながら、例えば大統領就任時の宣誓では聖書に手を当ててそれを行う…等
宗教、特にキリスト教と切っても切れない関係にあるアメリカ政治。

 その中でも、支持を広げている福音派(といってもそういったキリスト教内の宗派がある訳ではなく
同じ or 似た思想を持った人たちの寄り合い所帯と言った方が良いのだろう。よって教義を、運動を
指導する中央本部のようなものはない)について、福音派の中の人が実情を述べた一冊。

 通読するだけで。福音派がアメリカの政治にどのような影響(主に外交面、イスラエルとの関係は
丸々一章分を割いている。そこでは(本文でも触れている)『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』とは
真逆の話になっている)を及ぼしているのか?だけでなく…

 ・そもそも何故に、アメリカ人は「アメリカが選ばれた国」と思いこんでいるのか?
 ・何故、海外に布教(宣教師の歴史を辿る形で述べている)しに行くのか?
 ・福音派の「正義」や「道徳」とは何か?

 …等々を知ることが出来ます(福音派の定義から述べているので、ここら辺の理解も容易です)。

 付け加えると、専門書でありながら、A5判、ソフトカバー製本にすることで財布に優しい、読みやすい
訳文(平易な言葉、適度な補足説明)なのも良いです。

 アメリカ政治・外交とキリスト教(福音派)の関係を知りたい、学びたいという方の期待に応えてくれる
一冊と考えます。


⑤「これまでにない新鮮なテーマ」

アメリカの外交と福音派(エヴァンジェリカルズ)、というテーマに引かれて買ってみた。
福音派は、アメリカ大統領選をも左右するほどの絶大な影響力を持ちながら、その実態が今までちゃんと定義されてこなかった不思議な教派である。
この不思議な教派について、政治とキリスト教の両面から解説されていて面白く読めた。
アメリカの政治と福音派の関係について、ここまで詳細に、しかも当の福音派の口から語られた本はおそらく初めてだろう。

具体的に言うと、
福音派がどのようにアメリカの政治に関わり始めたのか? 
なぜ、大統領選をも左右するほどの絶大な影響力を駆使するまでに成長したのか? 
どのような意図でアメリカの外交政策に影響を与えているのか?
などが説明されている。
また、福音派の起源や歴史、思想、活動にも触れられているので、キリスト教に疎い自分でも「福音派ってこういうことを考えてるんだ」ということが理解できた。

橋爪大三郎が解説に書いている通り、「アメリカは信仰について『真面目な』人びとの国」なんだと実感した一冊。
国際情勢や政治に興味がある人、キリスト教に興味がある人、アメリカをもっと深く知りたい人にお勧めである。


⑥「分析は役立つが、提言や批判などは、疑問符がつく」

アメリカ外交における「キリスト福音派」の影響というアプローチはこれまでにあまり知らない。読み始める前は、それなりの期待感があった。

アメリカの政治に、キリスト教の団体のいくつかが一定の影響力を持っていることぐらいは知っている。本書は、その中でも、福音派の団体がもっとも多くの人口を擁していること、それゆえ過去に時の政権の外交に影響を与えてきたことを具体的に書いている。これは十分に有益である。
ただ、気になるのは、全体として、著者の考えに近い福音派の言動は肯定される一方で、著者と違う考えに対しては批判的なことである。
例えば、「拷問」や「地球環境(温暖化)」に対する、福音派の一部の言動には厳しい評価を行っている。
また、著者自身が「貧困」に関して書いている部分についても、成長を単に%という数字だけで追うことによって、「BRICs」が国内で抱えている格差には目を向けていない。
エイズ対策に関する部分など、まるでブッシュ大統領(息子の方)の宣伝みたいだ。
こうして見ると、著者の立場は、明らかに共和党支持、特にキリスト教原理主義と近い一部のネオコン連中が政治を牛耳ったブッシュ政権(これも息子の方)に近いとしか思えない。

もちろん、それならそれで構わない。しかし、本書で展開される分析が、一見“中立”のようであることが疑問である。
それでも、アメリカの保守基盤を支えるのは、キリスト教徒一般なのではなく、福音派であることを知ることができたことだけは有益だった。


⑦「福音派研究の概説書」

本書は、エヴァンジェリカルズ、特にその外交政策に注目しつつ概説している。その意味でよい教科書である。

著者のアムスタッツは、エヴァンジェリカルズ研究の本拠地の一つ、ホウィートン大学で教鞭をとっている。その彼の著作が翻訳されることは、日本のエヴァンジェリカルズ研究に大きな貢献となるだろう。

加えて、「福音派」ではなく「エヴァンジェリカルズ」とタイトルをつけたことも特筆すべきである。今後、この用語が普及していくことを願っている。

しかし解説が物足りない気がした。エヴァンジェリカルズの定義などに関して、論争的な定義を用いることは危険だと思われる。