日本
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素描44

『素描44』

分厚い冬の雲。ひとしきり降った雨により濡れている。駅に傘を置き忘れてきた。
白い砂の音は遠ざかり、羊がひしめき合う。いくつの民族が嘲り笑い、愛憎を慮るのだろう。

無抵抗のトランジスタから発される声は大きく、耳鳴りが止まない。吐いた息は瞬く間に消えた。
ベランダのクールミント、焦点の合わないひびがはいったピント。心臓の鼓動より大きく、また破壊衝動より小さく。