日本
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カテゴリー: 散文

so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02

ゆらめき

『ゆらめき』 信号を待っていると、空から本が降ってきた。それは音も立てずに地面に落ちた。男は目線に下をやると本は右にずれた。 -風もない広々とした交差点- 男は本を拾って適当にページをめくった。 — 彩られた…
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結い

『結い』 「これ以上、こんな生活耐えられない」”結ばれた人”が喋った。近所の洋服店にいく予定を取り消し実家に帰った。二車線の道路沿いにあるその家は、もの悲しい愛情しかなく、生活の音はヒソヒソとして…
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とがった猫

『とがった猫』 感覚の断片を拾い集めた錯乱が目玉をひたすらにくり抜く。 白い壁に向かって頭を打ち付ける。キリストが泣く。 硬質な土でできあがった泥人形は操られることさえもできない。 身の丈にあっただけの抜け殻が近くに転が…
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xxxxxx

『xxxxxx』 あいさつ。覗かない除けない穴でもない。 真顔でこちらを見る勇気、ただれた皮膚に手を触れる。 飛ぶほどの痛みは公共的な怠けた者たちに人生を教えるのだろう。 誰も知らない私の暴力、永続的に流れる血。 何も分…
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感性の生成

『感性の生成』 旋律に触れられる。 それは山のような起伏であり、鼓動である。周波数にて分け隔てるのではない。「そのもの」を「そのもの」として捕まえるのである。修練を積んだ芸術家は感覚に名をつける。一方、探究心のないものは…
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記憶をなくす少女

『記憶をなくす少女』 2時間で記憶をなくす少女は笑った。 蚊取り線香の煙の近くにいる蚊のように、長く続かないと本人は気がついていた。その声はか細く、可愛らしく、あどけない。男の子よりも身長が高くなった、思春期の、内と外の…
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目玉焼きと女性A_

『目玉焼きと女性A_』 目玉焼きを太陽に照らしている人をみた。両手を高々と上げて、手のひらを天にむけ、太陽と黄身を調和させようとしている。世界の力を借りようとしているのか、踵が少し浮き上がり、つま先には力が入っている。柔…
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規定的なハンコ

『規定的なハンコ』 ひどく思い悩む青年に「判断されるためにここに並んでいるんだよ」と大人の女性は言う。「真っ赤に染まったインクのような顔をして、面倒くさいわよ」と続ける。青年には印はまだ与えられていない。彼は順番を待って…
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美的な5

『美的な5』 1.バイオリン、チェロ、コントラバス、弓で弦を擦る楽器たち。いわゆる擦弦楽器は、懊悩とした感性を引き出す。気を緩めていると涙が頬を伝う。 2.暗くなった街、あたりに人気がなく、静謐である。その中に暖色の光。…
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巡回

『巡回』 「心を表象する言葉。意味を持つため、伝える手段として、唯一となる」 「この世でめずらしく、どの人の暮らしぶりにも、関係を持つ」 目の当たりにしたことのない真実はたくさんある。変わりゆく人間の営み。 そのままの視…
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