日本
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カテゴリー: 文章

so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02

素描82

『素描82』 カモフラージュ通り抜ける光と矢 道を沿っても 見あたらない 新しい札を持たないトランプが水浸しになり ひとしきりの経験は過去になる 逆さに吊るされた愛情の深い手 とびまわる綿毛に目を奪われて やがて姿が見え…
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素描81

『素描81』 AM 06:49 永遠のような時間 AM 06:49 置きっぱなしのハーモニカ AM 06:49 右下が破れた日本地図 50、50

素描80

『素描80』 沿道を埋めた白い観衆 屋根における破風の役割 i/o,exchange 理解者は深紅にまみれて 語ろうとするものは寄る辺もなくて 空っぽの底の穴は むこう側から伺いみる 隔てていた闇 背伸びをした鋏 耳にす…
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素描79

『素描79』 並列に存在するイメージの器。水をすくうように丁寧に触れて返答を待つ。 かつてのオルターエゴも悲しい心に変わり、こわれた変速機に絡みつく。 雨はしとしと、虚空をにらむ。ねじくれた樹木の影は一言も話さずにつんと…
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素描78

『素描78』 だれも知らない花は咲いて だれかは知っていても 旅の途中でこけてしまっても ただ松の風が吹いているだけでも 春の野にはただ蜂が飛ぶのです

素描77

『素描77』 永遠に平らな底をついつい眺める 経験にあずかり知らぬ仏 かわいた土とぬれた火が自生する 時世の苦 よろこびわかちあいて ひからびてわかりあう

素描76

『素描76』 雑念を食す お好みの酢で 選択の余地なしは健全な好みの上に 女神に泣きついても、抱きついても 嘘のないお米を研ぐ指 弁当箱にバッタが一匹 想起の芽生えは映画の一コマみたく 「夢が膨らむと栄養も循環するのさ」…
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素描75

『素描75』 永遠の山。蜜柑の皮ごと喰う、食う、喰う、喰らう。 寺に駆け込んだのはどの怨(恩)。死霊を肥やす私領にいき。 異化する、ことの手練手管。ひゃーひゃー。ひゅーひゅー。 風邪は引くもん。六尺ばかりの杵柄を地面に振…
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素描74

『素描74』 透明感のある山のふもとのカフェから景色を眺める。周囲では馬が走りまわり蝋梅の香りがただよう。 群落には雪が降り有機的なつながりに亀裂が走る。 いかようにも、いかようにも。 冷めた珈琲が頬につたわり、窓辺の生…
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素描73

『素描73』 従順は魚に溶かされて地底で落ちあう。遊戯は一生を覆いつくしているのに未開と人は言う。帆を張って駆り出された兎や鳩。海原に頬を差し出して心を慈しむ。いいふらされた情感はひとつなぎの紙と出会う。 希望の連動と誹…
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