so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02
『素描25』 「晴れ、時々曇り…」AMラジオから本日の天気が知らされる。古い地図をたずさえて森にきた。 小雨は止み霧がかり、触手は散りかり、美少年は罠にはまり、そのものにとってひとつの統一体となり輪をつくった… 続きを読む
『素描24』 補助器をつけた、器の小さい。しかくをよっつもった。ひだりの、超音波。 右にしたたる、したためる、水水。有限にちかづく、地下づくりの見開きの彫刻的な速記が、新しい「ト」をさかさまにしていく。 また、その、意味… 続きを読む
『素描23』 急かされた少女は、風船を握りしめて道路の脇を歩く。きしきしと骨は痛み、身体は悲鳴をあげる。それでも朗らかに歌い上げ彼女の音があたり一面に広がる。手を伸ばしても決して微笑みかけない、かつて愛された人形はいつま… 続きを読む
『素描22』 私はiyu 意味伝達<記号の世界に生きるの。 -ひとたび罹患 ラカンの脳へとバカンス- -ひとっ飛び、ヘブン、イーブン- m7のコードが文字を導くの。千夜一夜の物語を夢みるの。 世界の東からひっそりと。黄色… 続きを読む
『素描21』 子ヤギが2匹、屋根の上で愛し合う。 その覆われた毛だけでは、寒さを凌げずに、丘へと飛び降りる。 清涼感のある緑があたり一面に広がり、たなびく雲が心を躍らせる。 目線を外すと、キャンプ場で火を囲み談笑しあう彼… 続きを読む
『素描20』 夜はまだ明けず、subculture Sage とキーボードを打つ音が部屋に響く。 干からびて地面に落ちている柿のように、多くの人とは無関係の時間が流れる。 丸い形をした電球から発される光が部屋を煌々と照ら… 続きを読む
『素描19』 位置関係。どの視点で。薄く長い膜、ぐるぐると巻く。中心には何もないようなそこに”何かある”。 平易な言葉、隠れた情報(創り上げた妄想)で。発狂とは程遠い。確実に脳を蝕んでくれる。 ユ… 続きを読む
『素描18』 寂しくなれば道を歩き、また、痛々しくあれば家に戻る。 地面に落ちている紙パックは誰かが手で握り潰したのであろう。 父親が娘の結婚を許さない時のように少し滑稽めいた形をしている。 頬の奥を腫らす親知らずは日毎… 続きを読む
『素描17』 火遊びをしてはしゃいだ小さい頃を思い出すからだろうか。照らされる範囲はあまり広くなかったが、火をみる時間は特別で、枯れた人生を投影しているように感じていた。人差し指と親指で口の近くにできたニキビのようなでき… 続きを読む
『素描16』 白髪の神学老人に身をゆだねる。ゴツゴツとしたその手は飼われるには十分であり、疲弊した私にあきらめを覚えさせてくれる。 (そのような状況をつづるとは過去の記憶を引っ張り出し、まとめていく作業である。これが快楽… 続きを読む