so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02
『素描15』 大仏のような赤ん坊、呼吸だけを整えて、生きる秘訣を背負った、寝息。経験則をまるで無視した形。 右耳に寄り添ういびきは、川の上流のような幸福。慮るわたしたちを引っ張るリーダー。調子はずれの鼓笛さえもあやつる。… 続きを読む
『素描14』 冬、布団から出られず、窓から見える屋根の上の避雷針をぼけっと見つめていた。 となりの部屋から、昨夜つけた加湿器、夢うつつの時。 0時を超えれば日付が変わる、そのせいで昨日と今日が分断。 — プラ… 続きを読む
『素描13』 執着は周囲を圧倒すれど、調和をもたらさない。個人に根差した決意は個人で留めるべきであり、全体を考えるときは全体として考える。感情をどこまで許容するかというのはとてつもなく難しい。それは優先順位を決めることに… 続きを読む
『素描12』 他を慮りいつもそばに。選択の自由が教えてくれる贅沢な病。 その感情の埋め方、発光した蛍。荒ぶる波に身を委ねて、白鳥をイメージしやり過ごす。 老犬とラジオ、鎖に繋がれて、大切なお知らせを聴き逃して、しばらく白… 続きを読む
『素描11』 最良まで高められたコンペティション。今晩は暇潰しに付き合って、最期の時は誰とダレとだれ。 「私の思考は秘密よ」と嘘ぶく彼女はかわいい。いとをかし。あれよあれよ、趣、情緒に表向きはへッドバッド。 難攻不落の逆… 続きを読む
『素描10』 カマキリが餌を食べた。どこからともなく「やれ、こしらえろ」と聞こえる。草の葉にかすかな露がたれる。遠くに虫を発見。とんでは跳ねる。つぶらな瞳が見えないほどに喜びが大きくなる。下のお腹がぽっこりと膨らむ。ひん… 続きを読む
『素描9』 腹を満たす調子はずれのお祭り。たぶらかされた言語と寝かされたままの聴覚。頭に浮かぶ鯉のぼりと競争。 鳥獣は同じ、記憶を失う。同じ記憶を失う。すかさず、その使用権を譲渡。求めるのは業。燭台に火をともして石を蹴り… 続きを読む
『素描8』 お疲れ様です。いつも大変お世話になっております。 本日は狂喜乱舞する予定ですが、よろしくお願いします。青椒肉絲に春雨スープ、決して安価なものではございません。 「何を食べるのかではなく誰と食べるのか」 世間様… 続きを読む
『素描7』 不可解で先に甘んじた。分断された境目からは誰も覗いていない。 虚構の目は誰のものだったのだろう。路頭、頑迷、猛暑、残忍。それらは閉じられた。 報われた、血の滲むような努力、雨の降らない幸運。その他は全て天誅。… 続きを読む
『素描6』 コンセントの穴に情緒と情報を挿す。挿せば一定の値を導き出し返してくれる。 形式と構造、根幹の変化、未来ロボ2020、こちとら全宇宙、中枢神経の最後尾。 インフォメーションテクノロジーは夢幻の可能性の息づかい、… 続きを読む