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とがった猫

『とがった猫』

感覚の断片を拾い集めた錯乱が目玉をひたすらにくり抜く。
白い壁に向かって頭を打ち付ける。キリストが泣く。

硬質な土でできあがった泥人形は操られることさえもできない。
身の丈にあっただけの抜け殻が近くに転がっている。尻尾を踏んづけてみる。
見たこともない猫が雄叫びをあげている。空返事のように中身のない声が続く。

腐りかけたいちごの甘い匂いが漂う空間に、ただ一人いる。

「心配症であることが人間の唯一の担保だ」

ぐるぐると頭の中をかけまわる。
ガラスの破片で手を切り青ざめた姿を想像し、今はただ、その中にいる。