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素描16

『素描16』

白髪の神学老人に身をゆだねる。ゴツゴツとしたその手は飼われるには十分であり、疲弊した私にあきらめを覚えさせてくれる。

(そのような状況をつづるとは過去の記憶を引っ張り出し、まとめていく作業である。これが快楽を呼び、分泌された成分を知ることなしに文筆家を生む)

顎の下あたりをなぞられ触れられた瞬間が忘れられない。いつの間にか後頭部を通り越して、右の肩をめがけて腕が伸びる。愛想よく振る舞う人間の瞳の奥をのぞいた時のような比喩の作り方、記憶を逆再生し静止点をみつける。