日本
sasaworks1990@gmail.com

素描17

『素描17』

火遊びをしてはしゃいだ小さい頃を思い出すからだろうか。照らされる範囲はあまり広くなかったが、火をみる時間は特別で、枯れた人生を投影しているように感じていた。人差し指と親指で口の近くにできたニキビのようなできものをいじりながら、火について考えていた。風呂に入ることも忘れて頭皮は少し湿っている。気が付けば優先度の問題へと足を踏み入れていた。こめかみあたりの髪の毛を掻きながら、対象について考えるように何とか律しようとした。

人間のことばかり考えている人をあざけり、影に隠した。

(一人称ばかりでは小説は成り立たない)
(一人称の心情を登場人物のやり取りにあてはめるのだ)
(いかに遠回りして、心情を表現するのか)
(それは優しさだ)
(内向きの哲学ばかりでは物語は紡げないのだ)

対象は自問自答に取って代わられた。
火について考えてみた作家のペンはすすまなかった。