日本
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素描61

『素描61』

ぱっくりとぱっくりと。敬虔な海に無数の人が溺れる。
眺めていた浮世の風も赤い波に飲み込まれた。

建造物のない空の象徴。今もランタンに照らされる九つの尾。
銀の紙に包んだ砂は散らばり、虫たちの養分となった。

孫の代まで残したお土産の薔薇はなおも痛々しく、時代を中継する。