日本
sasaworks1990@gmail.com

カテゴリー: 自由詩

so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02

産ぶ

産ぶ 罪の意識 際限のない求愛 独房にぶち込んでも脱走をはかる もしも煩悩が本能であれば 意志をもたないのであろう 保たないものの闘争と破滅 あらゆる種の欲望のるつぼ タネを摘みだして 産ぶ声はもっとちょうだいって 罪悪…
続きを読む

贈りもの

贈りもの 裏返る必要のないおもちゃがひっくり返る あたたかな布団の中で子供がねむる 彼女は将来 本を好きになる どこまでも旅ができる その世界に虜になり目を輝かせて  足をバタつかせて その様子を見守っていたい生の躍動(…
続きを読む

ぼくたちも失敗

ぼくたちも失敗 この世にあ/ったクスリ 救う/巣食う 救う,巣食う 救う・巣食う “耽美的な世界に惑溺しすべてがなくなる” いつしかそう言い切れ/ない 大人 それでもふと/した時に 再生 時間にし…
続きを読む

燃焼

燃焼 フィルターのない銀の時計が燃え る 物質 火の口 化けずとも計らずとも 瞬く間に る

くらいしす

くらいしす crisis ひんひや ひんひや crisis ひんひや ひんひや 形勢逆転をねらう カチワル チワワ の 演舞

游泳

游泳 深い海を忘れた 泳いでいたことさえも忘れた 波があると知ってしまった 橋がかかっていく光景を目の当たりにした 呼吸ができなくて覚えたこと 息を吸い始めて忘れたこと 重さ約0.3〜300キロの人間が水浸し 広大な海に…
続きを読む

ワタシの暮らしの中で

ワタシの暮らしの中で 飛んでいる あの娘は一生懸命に飛んでいる 穴をあけながら 羽の大きさも知らず 追いかける その後ろを一生懸命に追いかける 心配しながら 疎まれながら 入れ替わる日を2回 夢みて 美しいカタチ 左回り…
続きを読む

ミュルクヴィズへの誘い

ミュルクヴィズへの誘い 容赦なくナワで縛り 甘美的な唇の先 屋根の修復 工作員 綱渡りと嵐さえ 拍手喝采のバージンも 眼球の裏 受話器の交信 聖者は連れてくるよ パパの宇宙船を

天空

天空 詩は死を包み 死は詩を呼ぶ 真っ赤なお花畑で摘む花は 人々の言葉をつむぐ 空想的な言語感覚 まる さんかく しかく 冷え冷えした うちなる飛躍

飛翔

飛翔 灰色のかたまりがとんでいく 空になって つばさがちぎれている いつまでも 立方体で溶かせない 片足は焼け焦げ やがて全身にひろがり 天井をただみつめる 前後の記憶を 抱きしめてみる