日本
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カテゴリー: 素描

so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02

素描57

『素描57』 赤みがかった川の岸辺にたどり着いた。 遥か遠くから歩んだその道のりから便が届いた。 「唇をすぼめた彼は、空気を取りこぼした彼女に酔った。覚醒しない、暗々裡に、植物のような関係が育まれる」 知らない市で買い物…
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素描56

『素描56』 Hello 中継地点、制約が愛をもたらし互いを穴に入れる模様 甘い蜜を吸う蝶は混乱し梯子を立て直す 自らを背徳者とする烙印を詩に転嫁 「とんでもない!!!」と言葉が溢れだした 「その先は、浮かんでは消えます…
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素描55

『素描55』 懐柔された人は、結ばれるはずの糸をいつまでも待つ。 コツコツと音を鳴らす靴。揶揄の向こう側のエントランスに置いたままの浮いた話や悲しみ。 ぎりぎりの裏切りや歯ぎしりした区切りに不義理な釘を打つ。 耳から離れ…
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素描54

『素描54』 新秩序の形成に抵抗する荒ぶる巨人、石臼を背負うて踏み損じた足跡。 こんがりと焼けた穂から離したばかりのイネの果実が衣服に粘着し繁殖する。 grain; caryopsis grain; caryopsis …
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素描53

『素描53』 未来の人が移動を止めた。 Artificial Intelligence が自動筆記を続けた。猫型ロボットのポケットのように世界は有限ではなくなり、深層学習はセリフを占領した。指の第一関節が消失し比喩は等し…
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素描52

『素描52』 後方に潜むシノニム。命名の息づかい。 初めて知る、分かれて散る。儚き菊。 鍵を握るエイリアスと時をかける少女。 円錐の、斑の、白紙の、非合法の、 目合ひによる育まれた契約。 流転の、螺旋の、普遍の、愉悦の、…
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素描51

『素描51』 遠のく初声。路にむかって犬が笑う。黒い枝が頭をつつく。ずしずしと甘苦い人が学び舎を吸いこむ。 宣言の補充 0090 、「余は代に向かって ひたすらひっかく」、 肘と骨がこすれ合い、湖上に牡丹/芍薬をささげる…
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素描50

『素描50』 夜の名残を惜しんで初鶏が鳴く。極限までに打倒された一日は、民を目覚めさせる。 チック、チック、チック、針と頬と廃れた戸。 シック、シック、シック、バイアスと不在と配達と奪い合い。 御粧をしたホメオパシーの代…
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素描49

『素描49』 「午後からは雪が降るらしい。手を温めるために手袋をしなきゃね」 ヘルメットを装着して毛布を掛けて、いざ出発。真正面からくる冷たい風に負けずに力強く漕ぐ。 前の籠、表情が見えない。後ろの人、手がかじかむ。到着…
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素描48

『素描48』 偏狭に育ったものは、まだ見ぬ場所から来た冬の雁を知らず。ゆえに歓びの位相や供給量は安定的で幸せに暮らす。S と N の磁石のように!近づききれない感情は分断せずにいつもある。ある日、未開のにおいがした。浸さ…
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