日本
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カテゴリー: 素描

so sasatani,objective-Saw since 1990.02.02

素描38

『素描38』 添い遂げられなかった。中継地点もなくて、希望だけを持ち歩いていた。根の深い問題も、傷だらけのレトリックも眠りとともに置いてきた。ヒューズのとんだあの地平線から逃れてみたけれど、反復的に詐欺は続いた。豪快に部…
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素描37

『素描37』 所有した言語は沈黙した。てのひらを眺めてみても、頭を冷やしてみても、黙っていた。ピアノを調律する時のように耳を澄ましてみた。「て」「に」「を」「は」を見直してみた。手に取った屋根瓦を間近で見てみた。頭部を黒…
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素描36

『素描36』 ダルマが転がった。どこまでも、どこまでも転がった。均等に降る雨に打たれても倒れなかった。 ダルマは笑った。いつまでも、いつまでも笑った。信号に来る羽目になっても悟らなかった。 ダルマは土に潜った。行く先々で…
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素描35

『素描35』 観る価値のない映画をぼっーと見続ける。周波数、40khz。アンテナは作動せずに。あなたならばと思い、100本の薔薇を用意した。名前はまだなく、発掘作業が続けられて、ひたすらに飛躍したチョコレート。白眉な世界…
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素描34

『素描34』 春と雨が符号する。切りつけられたと思えば、追いすがり。離れたと考えれば、相対する。 取りつく間もなく音の棲むところにかけつける。「日本文学の遺言」「サッチャー時代のイギリス」「凛とした子育て」、知らないこと…
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素描33

『素描33』 コバルトブルーの規制、空を広げた。黒縁メガネのシャックリ。 花束を持ってきては投げ捨てた。 人々の間からは意味のない吐息が漏れた。 ジュースを飲み干す貴婦人のように、なめらかに石畳の上を歩いた。 「背景の色…
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素描32

『素描32』 イマージュの喪失、拡張した舌先が包まれる写生。通じた帰納は随所に行きわたり、渡り鳥に、花緑に話し込み。 「探偵さんなら帰りましたよ。」玄関先で応答するマダム。MADAME SHINCO のおもてなしと通貨と…
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素描31

『素描31』 肘と肘は交わらず、腕と腕が触れ合う。奇術師の記述に残された石碑。オートと間、クールでナイスガイな鳥たちの飛躍。チョップでスティックな夢食いの宴。痕跡の責任はだれにも問われず溶ける魚の宣言を溶かした僕らの物真…
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素描30

『素描30』 即興の家畜。呼び戻されて、擬人化した客体のような存在。噺家が届ける、起き抜けの、容赦、白日。 ついつい偽りに居座り、家屋の母屋から突き出した。 位置の把握、絞り出して香盤に映しだす。鏡、心理の心理。 粗野な…
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素描29

『素描29』 白と青の境目にいる。白へと飛び込み青に駆り出される。身体は進む/戻るばかりを繰り返し、水平線をずっと泳ぐ。 積乱雲のように鉛直にただただ伸びる。殴り書かれた文章は担い手への注意喚起。余計なお世話/責任の所在…
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